ボードレール語録

「悪」印象が強いけれど、決してそれどころではないボードレールの魅力を広めたい一心で。

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    一定期間更新がないため広告を表示しています

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    道義派のドラマと小説
     ガブリエルに耳を傾けよう。美徳の女ガブリエルが、美徳の夫と共に、利息は原本に加えられ更にそれが利息を生むと仮定し、一万ないし二万フランの年収を得るようになるにはどれだけの間吝嗇を続けなければならないか算定するのに、耳を傾けようではないか。五年か、十年か。知ったことか。私は詩人の数字など覚えていはしない。「その時になったら」とこの道義的なる夫婦は言うのだ、
     
    男の子を一人作る贅沢も出来るだろう!

     淫猥の悪魔どもすべての角に賭けて! ティベリウスとサド侯爵の魂に賭けて! その間中ずっと、この夫婦は一体何をするのだろう?彼らがこういう美徳の計画を成就するためにどうしても耽らざるを得ぬ悪徳の行為諸々を書き記して、私のペンを汚さなければならないのか? それとも詩人は、庶民からなるお人好しの観衆に、この夫婦は全き純血の内に暮らすだろうと思い込ませるつもりなのか? ひょっとすると、彼らを促して、経済家の中国人、あるいはマルサスの講習でも受けさせようというのか?
    | - | 18:51 | comments(16) | trackbacks(0) |
    キューピッドについて
    彼はこの色好みでしなを作るのが大好きな共和国の大統領です。どんなソースで食べてもうまい魚というわけです。しかしながらわれわれは、昆虫あるいはアヒルのように羽の生えたこの老放蕩者のために絵具や大理石が浪費されるのを見るのに、もううんざりしているのではないでしょうか? トマス・フッドは、そいつが蹲って、手足の利かない人さながら、その柔らかな肥満体の下にクッション代わりを務める雲を押し潰している姿を描いて見せてくれました。左手にはサーベルのように、弓を腿に押し付けて持っています。右手には矢を持って命令を下します、担え銃! と。彼の髪は御者のかつらのようにたっぷり縮れています。丸々とふくらんだ頬が鼻の穴と目を押し潰しています。彼の肉体、というか彼の肉は、肉屋の鈎に吊るされた脂身みたいに、詰め物をして、管状で、ふくれあがって、多分世に遍き牧歌的恋愛の溜息によって膨張させられているのでしょう。山のようなその背中には、蝶の羽が二つ取り付けられています。

    『1859年のサロン』
    | 批評・エッセイ | 05:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
    Twitter始めました
     Twitterにアカウントを開設してみました。

    http://twitter.com/baudelaire1857


     ボードレールの著作から、キャッチーな名言をアトランダムで抜き出しています。
     こちらも気が向いたら更新したいなあ、と思ってはいます。

     知らない人のために一応説明しておくと、Twitterとは、個々のユーザーが「つぶやき」を投稿し合うことでつながる、ブログとチャットを足して2で割ったようなシステムを持つサーヴィスだそうです。
    | ボードレールな日々 | 21:01 | comments(17) | trackbacks(0) |
    『パリの憂鬱』37・ 窓 (予定)
    XXXV. LES FENÊTRES
      Celui qui regarde du dehors à travers une fenêtre ouverte, ne voit jamais autant de choses que celui qui regarde une fenêtre fermée. Il n’est pas d’objet plus profond, plus mystérieux, plus fécond, plus ténébreux, plus éblouissant qu’une fenêtre éclairée d’une chandelle. Ce qu’on peut voir au soleil est toujours moins intéressant que ce qui se passe derrière une vitre. Dans ce trou noir ou lumineux vit la vie, rêve la vie, souffre la vie.
     Par-delà des vagues de toits, j’aperçois une femme mûre, ridée déjà, pauvre,
    toujours penchée sur quelque chose, et qui ne sort jamais. Avec son visage, avec son vêtement, avec son geste, avec presque rien, j’ai refait l’histoire de cette femme, ou plutôt sa légende, et quelquefois je me la raconte à moi-même en pleurant.
     Si c’eût été un pauvre vieux homme, j’aurais refait la sienne tout aussi aisément.
     Et je me couche, fi er d’avoir vécu et souffert dans d’autres que moi-même.
     Peut-être me direz-vous: « Es-tu sûr que cette légende soit la vraie ? » Qu’importe ce que peut être la réalité placée hors de moi, si elle m’a aidé à vivre, à sentir que je suis et ce que je suis ?


     ぶっちゃけるまでもない事ながら久し振り。
    | 小説・散文詩(パリの憂鬱等) | 21:31 | comments(0) | trackbacks(0) |
    Fusées 火箭・1
    「火箭・1」アップデート
     『ボードレール全集』を読んで見付かったバグ(クリティカルなものを含む)をフィクスしました。
    続きを読む >>
    | その他(日記、お手紙等) | 18:52 | comments(1) | trackbacks(0) |
    マスコット情報
     せんとくん、僕は結構好きなんですが。

     先日の原案では、どうもボードレールらしくない、ということに今更ながら気付き、肖像写真などを参考に、全体的にリファインしてみました。
     マスコット

     これは売れる! 漫画化すれば絶対売れるぞ! きっと、ボードレールの人気も鯉の滝登りだ!
     誰かペンタブ下さい。もしくは描いて下さい。

     って、文フリの申し込みって明後日までですか?
    | ボードレールな日々 | 21:16 | comments(0) | trackbacks(0) |
    ラ・ファンファルロ(冒頭)
     サミュエル・クラメール、その昔、マヌエラ・デ・モンテヴェルデという名前で狂乱的にロマンティックな文章を発表していたこともある(ロマン主義の元気だった時代の話だ)、青白いドイツ男と褐色のチリ女の間に出来た矛盾の産物である。
    この二重の起源にフランス的教育と文学的素養を加えてみれば、諸君らにも奇妙に入り組んだ彼の性格に対する奇異の念を少しは減じることが出来るかも知れない(納得も教訓も得られないものとしてもだ)。 
    サミュエルは汚れなく気高い額と、コーヒーの雫のように輝く瞳、悪戯っぽく嘲笑的な鼻、破廉恥で肉感的な唇と、四角く張って威圧的な顎、いかにも気取ったラファエロ風の髪だった。
    大変なのらくら者であると同時に痛ましい野心家で、また名高い落伍者の一人でもあった。それというのも、彼はほとんど理想なるものを、その中途半端な観念に満ちた生活の中で持ってはいなかったのである。無精の太陽が身の内で絶えることなく燃え盛っていたため、彼は天の賦与したこの半端な天才さえも、自ら蒸発させ、消尽させてしまったのである。
    これら、私が恐ろしげなパリ生活での間に出会ってきた半偉人達の中でも、とりわけサミュエルは、誰にも増して出来損なった傑作の著者であった。病的で空想的、ポエジーというものがその作品の中よりも人格於いて更に煌めいているといった類の人物で、午前一時の頃合いに、石炭の炎の眩さや時計のチクタク鳴る音の中ではいつも、その巨大で法外なことといったら叙事詩でもあるかのような不能を司る、現代に於ける半陰陽の神のように見えたものである!
    | 小説・散文詩(パリの憂鬱等) | 03:18 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『悪の華』 00・読者へ
     La sottise, l'erreur, le péché, la lésine,
     Occupent nos esprits et travaillent nos corps,
     Et nous alimentons nos aimables remords,
     Comme les mendiants nourrissent leur vermine.
     愚かさ、しくじり、悪徳、出し惜しみが、
     心を塞いで、身を煩わせ、
     乞食が集る虱を養うように、
     僕らは愛しい後悔を育む。

     Nos péchés sont têtus, nos repentirs sont lâches ;
     Nous nous faisons payer grassement nos aveux,
     Et nous rentrons gaiement dans le chemin bourbeux,
     Croyant par de vils pleurs laver toutes nos taches.

     悪徳は根深く、悔悛は姑息だ、
     告白ですっかり贖えたのだと
     汚点を全て安っぽい嘆きが洗い流したと思い込んでは、
     
    朗らかに泥道へと舞い戻る
       
     Sur l'oreiller du mal c'est Satan Trismégiste
     Qui berce longuement notre esprit enchanté,
     Et le riche métal de notre volonté
     Est tout vaporisé par ce savant chimiste.
     悪の枕のその上に、魅入る心をゆったりと、
     優しく揺すぶる
    魔王トリスメギスト
     
    この物知りの化学者には、
     意志という貴金属もすっかり煙にされる。

     C'est le diable qui tient les fils qui nous remuent !
     Aux objets répugnants nous trouvons des appas ;
     Chaque jour vers l'enfer nous descendons d'un pas,
     Sans horreur, à travers des ténèbres qui puent.
     
    手にした糸で人を操るこの悪魔のせいなのだ!
     胸糞悪い物にも魅力を見付け、
     
    怯えもなしに、悪臭放つ闇を渡り
     日毎着々地獄へ降ってゆくのは。

     Ainsi qu'un débauché pauvre qui baise et mange
     Le sein martyrisé d'une antique catin,
     Nous volons au passage un plaisir clandestin
     Que nous pressons bien fort comme une vieille orange.
     まるで老けた娼婦の迫害された胸に
     
    口付けしては齧り付く放埒者、
     腐った蜜柑のように力一杯搾り出し、
     人目を忍ぶ悦びを小道の脇で盗み取る。

     Serré, fourmillant, comme un million d'helminthes,
     Dans nos cerveaux ribote un peuple de démons,
       Et, quand nous respirons, la mort dans nos poumons
     Descend, fleuve invisible, avec de sourdes plaintes.
     百万匹の
    蛔虫のように、蠢き、歌う、
     
    悪魔の群の脳での酒宴、
     そして、鈍い嘆きの声と共に見えない川となって
     呼吸する度死は肺を落ちてゆく。

     Si le viol, le poison, le poignard, l'incendie,
     N'ont pas encor brodé de leurs plaisants dessins
     Le canevas banal de nos piteux destins,
     C'est que notre âme, hélas ! N'est pas assez hardie.
     強姦、毒薬、短刀、放火が、
     けれん味もない運命の月並みな画布を
     愉快な絵柄で彩らずにいるのは、
     それは
    心に、いやはや! 度胸が足りてないだけ

     Mais parmi les chacals, les panthères, les lices,
     Les singes, les scorpions, les vautours, les serpents,
     Les monstres glapissants, hurlants, grognants, rampants,
     Dans la ménagerie infâme de nos vices,
     しかしジャッカル、豹、山犬、
     猿、蠍、禿鷹、蛇、
     みすぼらしい
    罪悪の動物小屋で、
     啼き、唸り、吠え、這い廻る怪物達の中にも、
     
     Il en est un plus laid, plus méchant, plus immonde !
     Quoiqu'il ne pousse ni grands gestes ni grands cris,
     Il ferait volontiers de la terre un débris
     Et dans un bâillement avalerait le monde ;
     最も醜く、最も狡く、最も穢れた奴がいる!
     派手な身振りも派手な叫びも見せはしないが、
     地球を廃墟にしようと望み、
     
    欠伸に世界を呑み込もうとする、

     C'est l'ennui ! - l'œil chargé d'un pleur involontaire,
     Il rêve d'échafauds en fumant son houka.
     Tu le connais, lecteur, ce monstre délicat,
     Hypocrite lecteur, - mon semblable, - mon frère !
     こいつこそが退屈だ! ―空々しい涙に溢れた眼で、
     水煙草を吹かしながら断頭台を夢見ている。
     
    この感じ易い怪物を、読者よ、君は知ってるはずだ、
     偽善的な読者、―僕の似姿、―僕の兄弟!
    | 韻文詩(悪の華等) | 10:26 | comments(1) | trackbacks(0) |
    パリの憂鬱 10・午前一時に
    すべての人間に不満であり、私自身にも不満である。この夜の沈黙と孤独のなかで、私は多少なりともわが身を贖い、みずからの誇りを取り戻したいと思う。かつて私が愛した人々の魂よ、私が詠った人々の魂よ、どうか私を強くし、私を支え、世の虚偽と腐敗した瘴気を私から遠ざけてください。そして、あなた、わが神よ! 私が人間のなかで最下等の者ではなく、また私が卑しむ人々よりもさらに劣った者でないことをみずからに証するために、せめて数行の美しい詩句を生み出せるようどうか恩寵をお授けください!

    (渡辺邦彦・『パリの憂鬱』・みすず書房)
    | 小説・散文詩(パリの憂鬱等) | 20:08 | comments(0) | trackbacks(1) |
    ボードレールのパリ
     明けましておめでとうございます。

     今回は、ボードレールの住んでいたパリにやって来ました。実際に巡ってみて、先生引越しが多すぎるという事が実によく分かりました。
     調べるのが面倒だったので、看板の出ていた一部の物件を除いては、正確なものかどうか保証出来ませんが、地図にしてみました。まあ、参考の程に。


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    | ボードレールについて | 06:42 | comments(0) | trackbacks(0) |
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