ボードレール語録

「悪」印象が強いけれど、決してそれどころではないボードレールの魅力を広めたい一心で。

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    既に!
    ひとり私だけが悲しかった、人に知られぬ悲しみがあった。神性を奪われた司祭にも似て、私は悪魔のように誘惑的なこの海から、その恐るべき単純の中に無限の変化を蔵しているこの海から、胸抉られる苦悩の思いなくして離れることが出来なかった。


    (福永武彦・『パリの憂愁』・岩波文庫)

     若い頃の南洋航海に基づいて書かれた作品である。
     無限を象徴する海は、ボードレールの作品にしばしば登場するが、この作品では特に、俗世的な現実世界である陸地に対して郷愁を抱く船客たちと、無限の中に美を見続けたいと願う詩人との対比が見事に描かれている。
     ただ、ここでボードレールは単に卑俗さを軽蔑しているのではなく、陸地の「情熱、楽しさ」、「壮麗さ」、「愛情の囁きたる生命の音楽」を肯定しながらも、その中に自分の身の置き所のないという哀しさが通底していることを見落としてはならない。
     最高の美を生み出す観念だとボードレールが考えた「無限」に感じ入るためには、情熱に溢れた陸地を離れなければならないという悲壮な決意が寓意的に描かれているとみることが出来る。
    | 小説・散文詩(パリの憂鬱等) | 11:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
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