ボードレール語録

「悪」印象が強いけれど、決してそれどころではないボードレールの魅力を広めたい一心で。

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    詩集『悪の華』の成り立ち
     詩人ボードレールの生前刊行した唯一の詩集(散文詩集『パリの憂鬱』は、死後2年経ってから初めて詩集の体裁をとった)であり、伝統的な韻文詩の形式を厳格に守りつつ、ロマン主義の流れを汲みながら、一般的な概念とは離れた美学に基づき、実存的なアプローチから純粋な詩(ポエジー)を抽出しようとした『悪の華』の方法論は、ヴェルレーヌ、マラルメなど、いわゆる象徴派の詩人らへ強い影響を与え、その先の近代詩に対しても明確な道筋を指し示したが、その成立には無数の紆余曲折があった。


     1840年代後半には、後に『悪の華』に含まれることになる作品のほとんどが既に書き上げられてはいたが、ボードレールの頭の中では納得のゆく詩集の姿はなかなか現れなかった。
     自分や友人たちの出す本、雑誌や新聞に、まず1845年から47年にかけて『レスボスの女たち(レズビアン)』、48年から52年にかけて『冥府』といった題名の詩集を度々予告し、「詩集からの抜粋」として幾度も詩を発表しているのだが、しかしながら実際に詩集が出るまでには至らずに終わっている。
     そうこうしている内に、ボードレール本人お気に入りであった『冥府』の名は、違う詩人に先に使われて泣く泣く諦める羽目になってしまうのである。

     しばらく『冥府』に替わる題を探し求めていたボードレールであったが、友人との会話中に相手の口にした「悪い花」という言葉から『悪の華』という名前を思い付き、これを総題として1855年、18篇の詩を雑誌「両世界評論」に発表した。ここにおいて、それまでの断片的な発表とは異なる、後の『悪の華』を予見させる構成が初めて目に見える形となって現れたのである。
     作品のスキャンダラスな性格から出版の目処はなかなか立たなかったが、1856年の末、友人でもあるプーレ・マラシとの間に出版契約が成立。翌57年2月には、原稿をマラシに引き渡し、マラシもうんざりな程に度重なる校訂を経て、当代の大詩人テオフィル・ゴーティエへの献辞を付し、101篇の詩からなる『悪の華』「初版」が発売されたのは同年6月25日のことだった。
     『悪の華』が発売されると同時に、猥褻で扇情的な作品との攻撃記事が雑誌「フィガロ」を始めとして多数現れ、これを受けた検察は風俗壊乱の容疑で捜査を開始し、数日後には著者と発行者を起訴、売れ残っていた詩集はことごとく押収されてしまう。
     友人らと共に弁護活動に奔走するも功を奏さず、翌8月に開かれた裁判では有罪が確定し、罰金刑と詩篇6篇の削除が言い渡され、詩集は当該部分を破られて販売されることになった。この時削除された6篇の詩は後に、ベルギーへ亡命したマラシにより『漂着物』という拾遺詩集に収められる。
     練りに練った構成を破壊され、一時は気落ちしたボードレールではあったが、裁判によりいくらか有名になったお陰で作品を発表する機会も増えたことで自らを励まし、今度は『悪の華』改訂を目指して邁進することになる。
     ところで、司法によって断罪された『悪の華』ではあるが、1858年には文部省より文学助成金として補助金が与えられたりもしている。

     1861年、大幅に章立てと配列を改め、削除された6篇を遥かに上回る新たな作品が加えられ、また既存の作品にも手を加えた、137篇の詩からなる「再版」が発売される。
     「初版」に比べてより強固な構成力を得た『悪の華』の中でも、新たに加えられた章「パリ描景」は、移り行く現実の都市を描く詩が目白押し、当時においては読者に強い衝撃を与える画期的なものであった。
     個々の作品に限らず、全体的な仕上がりにもボードレールはほとんど満足していたらしく、最も詩人の意図に沿ったものだとして、現在出版されている『悪の華』はもっぱらこの「再版」を基にしたものでが多い。

     晩年のボードレールは、更に完璧を目指した「第三版」を出すつもりでいたが、健康状態の問題により実現することないまま他界する。
     死後、負債整理のため競売に出された著作の出版権を落札したミシェル・レヴィは、「再版」以降の作品を加えた『悪の華』を全集の内の一巻として刊行する。これがいわゆる「第三版」と現在呼ばれているものだが、これはボードレールの意図に反する部分も多く、しかも編集が杜撰だとの指摘が多くされているのであまり人気がないと見える。


    ボードレールの計画した最終的な『悪の華』については、様々な研究者が、ああでもないこうでもない、と試みているが、ご当人は亡くなっているので答えなんか出るわけがないのだけども、そういうのを色々と見較べて、自分で色々と考えたりすると面白いものであると思う。




    その内きちんと書き直します。
    | ボードレールについて | 15:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
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