ボードレール語録

「悪」印象が強いけれど、決してそれどころではないボードレールの魅力を広めたい一心で。

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    『漂着物』 ・讃歌
    わたしの心を光でみたす
    世にも親愛な美しいひとに
    天使に 不滅の偶像に
    とこしえに幸あらんことを!

    わたしの生命の中に そのひとは
    潮風のようにひろがって
    飽くことを知らぬこの胸に
    永遠への好みを注ぎこむ


    (村上菊一郎・『世界の詩集2 ボードレール詩集』・角川書店)
    | 韻文詩(悪の華等) | 00:51 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『悪の華』106 人殺しの酒
    女房死んだ、おいらは自由!
    だからお酒も飲み放題。
    稼ぎもなしに酔って帰りゃあ、
    しこたま絞られ随分めげた。

    今じゃ幸せ王様並みさ。
    空気はきれいで空は晴れ晴れ…
    そういやあいつに惚れたのも
    こんな感じの夏だったっけな。
    | 韻文詩(悪の華等) | 06:54 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『漂着物』 ・思いがけないこと
    臨終の看取りをしていたアルパゴンは
    生色失せた唇を前に思案しながら呟く。
    「納屋にはたしか棺桶を作るぐらいの
    古板があった筈だな」


    誰よりもよく私の識っている或る耽溺家は、
    無力なやくざ者で、夜も昼も欠伸をし、
    嘆いたり泣いたりして繰言を並べる。「そうだ、私も
    一時間の内には有徳の士になりたい!」



    (村上菊一郎・『悪の華』・角川文庫)
    | 韻文詩(悪の華等) | 01:34 | comments(0) | trackbacks(0) |
    罪を宣告された書へのエピグラフ
    平和好きでのんびり屋の読者たち、けちん坊で単純な堅物人間たちよ、
    土星の下に生まれた騒々しく感傷的なこの本を投げ捨てろ。

    ずる賢い悪魔の教師に言葉遣いを学んでないならこの本を投げ捨てろ。
    君は何にも理解せず、私を気違い呼ばわりするだろう。

    もし君の眼が、愉快がるにとどまらず、深みに視線を潜らせるというなら、私を読め、私を愛する術を学べ。

    悶えつつも楽園を求める物見高い君の魂、私を憐れめ。
    そうでなければ君を呪おう。
    | 韻文詩(悪の華等) | 14:08 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『悪の華』 118・聖ペテロの否認


     ああ!イエスよ、橄欖の園を思いだすがいい!
    君は馬鹿正直にもひざまずいて祈っていたね
    いやしい死刑執行人どもが君の生身の肉に打ち込もうとする
    釘の音を聞きながら天で笑っていたお方に向かって、

    ならず者の衛兵どもや炊事係どもが
    君の神聖な顔に唾さえ吐きかけたというのに、
    計り知れない「人間愛」が生きていた君の頭蓋に
    茨のとげが突き刺さってくるのさえ感じたというのに。


     そうさ、出て行くとも、この私なら、綺麗さっぱり
    行動が夢の姉妹でないような世界からは。
    できることなら剣を用いて剣によって滅びよう!
    聖ペテロはイエスを否認した……あっぱれだよ!


    (安藤元雄・『悪の華』・集英社文庫)
    | 韻文詩(悪の華等) | 09:56 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『新・悪の華』 悲しき相聞歌
    汝、賢かるとも何かせん。
    ただ美しくあれ!
    風景のなかの川のごとく
    涙は顔に魅力を加う。
    驟雨は花を若返らしむ。


    (村上菊一郎・『悪の華』・角川文庫)
    | 韻文詩(悪の華等) | 18:20 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『悪の華』 126・旅
      
    子供とは、地図や版画が大好きなもの、
    全宇宙がその食欲にひとしく見える。
    ああ! ランプの下で世界は何と大きいのだろう!
    思い出の目に世界は何と小さいのだろう!



    だが本当の旅人とは、ただ出発のために出発する
    人々だけだ。心は軽く、気球にも似て、
    その宿命の手から離れることはついになく、
    なぜとも知らずに、いつも言うのだ、行こう! と。


      

    奇態な運命もあったものだ 目標が動いてしまい、
    どこにもないから、したがってどこにあってもいいという!
    人間は、飽くことを知らぬ期待に駆られて、
    いつも気違いのように休息を求めて駈けまわる!





      




      








      


      








      








      
    おお「死」よ、年老いた船長よ、時が来た! 碇をあげよう!
    この国にはもう飽きた、おお「死」よ! 船を出そう!
    たとえ空と海とがインクのように黒いとしても、
    知っているね 私たちの心は光でいっぱいだ!

    お前の毒をそそぎこんで、私たちを元気づけてくれ!
    私たちは、それほどまでにこの火で脳を灼かれているから、
    深淵の奥へ飛びこみたいのだ、「地獄」でも「天国」でも、どっちでもいい、
    「未知なるもの」の奥に新たな何かを見つけたいのだ!



    (安藤元雄・『悪の華』・集英社文庫)
    | 韻文詩(悪の華等) | 14:57 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『悪の華』 13・旅路のジプシー
    砂地の隠れ家の奥から こおろぎは 一行が過ぎてゆくのを見送って歌声を高める
    ジプシーを愛する地の女神は 緑の草を生い茂らせ 岩間に清水を湧き出させ 砂漠に花をひらかせる
    この旅人の前方に こうして彼らの行手には 暗黒の未来とはいえ 親しみ深い天地がひらかれている


    (村上菊一郎・ボードレール詩集・角川書店)
    | 韻文詩(悪の華等) | 00:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『漂着物』 ・身代金
    人間は、自分の身代金を払うために、
    深く豊かな土壌の、二つの畑をもち、
    それを、理性の鋤を用いて、
    掘り返し開墾しなくてはならぬ。

    ほんの小さな薔薇一本得るためにも、
    数本の麦の穂をひねり出すためにも、
    己が灰色の額の塩辛い涙で、
    絶えずこれらの畑を潤さねばならぬ。


    (訳者はだれだったかしら)
    | 韻文詩(悪の華等) | 01:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
    『悪の華』 108・愛し合う二人の酒
    轡もない、拍車もない、手綱もないが、
    さあ出発だ 葡萄酒の背にまたがって
    夢のような神々しい空へ向って!
    | 韻文詩(悪の華等) | 00:36 | comments(0) | trackbacks(0) |
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